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工務店とハウスメーカーの違い

地域に密着して戸建住宅の建築を請け負う専門業者のことを、一般的に「工務店」と呼んでいます。これに対して、全国展開している大手の住宅メーカーを「ハウスメーカー」と呼びわけるようになりました。どちらも同じ建築の専門業者であることには変わりありません。

あえて線引きをするのであれば、工務店とハウスメーカーは「事業展開の規模」と「業務体系」が異なっていると言えます。

多くのハウスメーカーは全国で展開するために、建売住宅のような規格化した家づくりを提案。反対に、工務店では土地に根ざし、施主の希望に応じて自由な設計を提案しているのです。

工務店とハウスメーカーを6つの指標で比較

1:価格

坪面積や設計によってピンからキリまでありますが、どちらかと言えば工務店のほうが安いかもしれません。

ハウスメーカーは広告宣伝費を建築費用に上乗せしていることがあり、高額になる傾向があります。しかし、工務店は高い広告宣伝費は不要のため、その分を工事費に回すことができるのです。

2:技術力

工務店はどんな職人を抱えているかによって家づくりの品質が左右されます。基本的には、腕に覚えのある職人がその土地に合った家づくりをしてくれますが、一概には言えません。

ハウスメーカーは工場で建築資材の加工を行なっている場合がほとんどで、仕上がりは均一と言えます。ただ、こちらも工務店が下請けしていることがあるため、ハウスメーカーとしての評価は難しいところです。

3:品質

全国展開しているハウスメーカーと言っても、一定の品質が担保されていることは間違いありません。なかには、オリジナルの建築資材を開発しているメーカーもあります。

工務店では、木材に強いこだわりがあったりオリジナル工法を確立させていたりと、品質にはとくに気をつけているところがほとんど。

安定した品質を求めるならハウスメーカー、細やかな品質を求めるなら工務店がおすすめです。

4:工期

どんな家を建てるかで工期は変わるものですが、同じ家を建てると仮定した場合、いち早く完成させられるのはハウスメーカーと言えるでしょう。工場からすでに加工された木材を直接配送してもらい、その場で組み立てるような工法が多いためです。

工務店は、職人がその場で1つひとつの作業を丁寧に行なうため、ハウスメーカーより時間がかかる可能性があります。

5:要望

自由な設計ができるという強みのとおり、要望が通りやすいのは圧倒的に工務店です。「ここはお金をかけてでも満足のいく形にしたい」「あまりお金をかけなくてもいいところがある」など、施主の要望に応えながら理想の家をつくりあげます。

ハウスメーカーは、提案する家が規格化されているため、細やかな要望に応えることができません。

6:住宅ローン

工務店は常に柔軟な対応をしてくれるところが魅力的なポイント。地元に根づいている工務店であれば、地元の金融機関との付き合いも深く、住宅ローンのサポートを行なってくれるところも少なくはありません。

もちろん、ハウスメーカーでも住宅ローンについて案内してくれます。ただ、全体的な打ち合わせの数が少ないこともあり、工務店ほどの手厚い対応は期待できないかもしれません。

その他の比較

アフターフォロー

せっかく建てた家には、ずっと住み続けたいものでしょう。家は建ったあとこそが大事です。5年や10年単位で無駄なく、的確なアフターフォローやメンテナンスが家の寿命を伸ばします。定期検診を行ない、不備に応じて修繕を行なっていくのがポイントです。外壁や屋根などの補修や設備の交換を行ないましょう。

ハウスメーカーのアフターフォローと工務店のフォローは、違いがある点に注意が必要。メンテナンスの確約やチェックしてくれる業者が誰かも確認しましょう。住まいの設計や構造を熟知していることはもちろんですが、地域の気候や土地の特性を把握していると心強いです。

地元工務店の強みは、土地に起こりうる諸問題を考慮できることです。点検や補修の時期は気候・風土によって項目が異なってくる場合もあります。工務店は、設計段階から施工・メンテナンスまで、一貫して織り込んでの対応が期待できるのが魅力です。土地に根差した設計は、長く住み続ける家に繋がっていきます。近場の工務店の場合、困った事があればすぐに相談できる身近さも工務店ならではです。迅速できめ細かい対応は頼もしさを感じることでしょう。

ハウスメーカーの強みは、マニュアルを確認しながらの密なチェックや継続的な保証が期待できるところです。ただ、全国展開のメーカーで営業所などが撤退する場合は不便になることもあります。メンテナンスを委託する場合もあるかもしれません。その点は注意が必要です。

気候風土に適した家

地元工務店の魅力のひとつは、環境を考えた設計が得意なこと。土地の事情を理解しており、地震の頻度・湿度・豪雪などをケアしてくれます。同じ土地で生活をしている工務店は、できる提案もオンリーワン。以前に水源地帯だったから地盤を補強するといったように土地の特性を理解した上で、ベストに近い提案をしてくれるのです。

地元工務店は、そこに暮らす人しか知らない情報を長く快適に住める家づくりに活かしています。例えば、水が間近にある土地で家を建てる場合には、家全体の設計を水害に備えた高さのプランを提案してくれる工務店もあります。川の風情を楽しめるように、心を砕いたサービスも提案してくれるかもしれません。

山あいの寒冷地の場合は、低い気温や山からの強風があっても快適に過ごせるようにします。快適な家づくりに必要であれば、さまざまな工法を考えてくれるはずです。

例えば、スーパーウォール工法といった気密や断熱・耐震に優れた構造を提案し、工夫したデザインと合わせることで寒気から室内を守るといった住宅を建てる工務店もあります。地元工務店は、地域の特徴やデメリットをカバーしつつ、長く快適に住むことができる家づくりを実現してくれるのです。